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高校入試の合理的配慮①

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 入試シーズン、障害などで通常の受験方法では障壁のある受験生を対象にした合理的配慮が広がりつつある。

今年1月の大学入学共通テストでの配慮決定者数は過去最高の4400人超。

一方、高校入試は地域差が大きく、不透明で、困っている親子も少なくない。


 「合理的配慮は、親子で中1から動いて理解を求めないと実現できなかった」


 中国地方の高校1年生の男子生徒の母親は、高校入試をそう振り返る。6歳で学習障害(発達性読み書き障害)と診断された。

公立小学校では理解が得られず、小1では音読発表会に出るよう強いられた。

小2の2学期に「死にたい」と言いだした。小3から特別支援学級へ移ったが不登校に。小4になり、デジタル活用や発達の問題にも関心のある担任に交代したことで好転した。

授業支援アプリ「ロイロノート」など様々な方法を模索してくれた。テストも音声で受けることができ、小5、小6は、毎日登校できた。


 母親が、地元の国立大学の研究者を訪ねたのは、息子が小学校高学年のころ。検査で、読む速度は小1以下の水準、書き写しにも非常に時間がかかるとわかった。

高校進学のためには、入試で合理的配慮を受けられるよう、中学3年間の実績が大切になると知った。


 合理的配慮は、障害のある人の社会的障壁を、行政や事業者などの負担が重すぎない範囲で除く調整。改正障害者差別解消法で2024年から官民すべての事業者に義務付けられたが、学校現場ではあまり進んでいない。


 中学から通常学級に変わり、再び不登校に。それでも別室登校し、私有と学校貸与の2台の端末を使って自習した。


 定期試験も配慮を求めた。本人も「どうしたらテストができるか」などのスライドを作って、校長らに何度も説明した。


 5教科はデジタル教科書で学んだ。定期試験では、国語の問題文はiPadの音声読み上げ機能を使い、解答も端末で入力した。英語はペン型スキャナーでなぞり、読み上げる音声を聞いた。解答用紙をノートアプリで読み込み、タイピングで答えを記入。送信や印刷で提出した。別室受験や時間延長の配慮も受けた。


 ただ、県立高校入試で同じ配慮が受けられる可能性があるのか。過去はどうだったのか。尋ねても、教員も校長も市教委も知らなかった。あまりにも情報がないため、母親は県教委に電話を入れた。入試での配慮は、中学校長から志望校へ申請し、県教委と高校長で決めると説明されたのは、その時だ。


 本人や研究者らも交えて中学で何度も検討会議をした。特性を示す書類や、中学で受けた配慮、他県の配慮例を紹介した新聞記事などを、中学校長を通じて志望校へ提出。県教委の担当者が、中学の定期試験の様子も見に来た。入試での配慮決定内容がようやく中学校長に届いたのは、入試の数日前だった。


 私有のiPadは、不要なアプリ、予測変換機能、学習履歴の削除を条件に持ち込み可に。タッチペン、ペン型スキャナー、音声読み上げ機能も使えた。全科目読み仮名付きの問題用紙、机2台の使用、別室受験、時間延長、タイマー付きデジタル時計が許可された。ただし、解答用紙を印刷するプリンターと紙、ポケットWiFiは生徒側が準備する条件だった。


 結局、第1志望の県立高校は不合格だったが、私立高校に進めた。「力を出し切れたから悔いはない」と男子生徒。高校では、部活でも活躍して毎日が楽しいという。中学には、感謝している。


 それでも、中学3年間、親子で働きかけ続けなければ配慮を実現できない現状には疑問が残る。「みんなと同じスタートラインに立ちたいだけなのに」と生徒。母親は言う。「中学での状況を伝える報告書の様式や必要な書類の内容、過去の実例などの全国の情報を、受験生や教員にきちんと届くように公開してほしい」



2025年12月29日 朝日新聞 朝刊より 

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