令和7年度 入試解説①(国語)ーーー さいたま桜高等学園・埼玉県立特別支援 高等部分校 の入試問題
令和7年度入試 埼玉県立高等部職業学科・高等部分校の入試問題(国語)について、解説します。
<入試問題>
過去3年分の問題を見ることができます。
ここから入試問題を印刷して、それを見ながらお読みいただくと、分かりやすいと思います。
<1>漢字
例年通りの学年範囲からの出題でした。
しかし、問題数が増えました!
今年は8問!!
書きが4問、読みも4問でした。
平成25年以降、漢字の出題は6問で、それ以前も6問より多い年はありませんでした。
8問になったという事は、来年以降も続く可能性が高いかも!です。
漢字の勉強に少し力を入れるようにしましょう。
ただし、出題範囲は決まっています。
出題範囲以外の勉強をしても無駄ではありませんが、入試に出ませんので、お子様の入試にとってメリットはありません。
それよりも時間のロスになります。
他の勉強をする時間を削ることになります。
お気を付けください。
<2>指示語
「指示語」は「これ」「あれ」などの事です。
どれを指しているかを答える問題です。
この問題も、初登場です。
良い問題です。
来年以降も出続ける可能性はとても高いと思われます。
<3>反対語(対義語)
「細い」と「太い」のように、反対の意味を持つ言葉の問題が出ました。
ヒントとなる言葉がいくつか並んでいて、そこから「選びなさい」というタイプではなくて、自分で書かせる問題でした。
そのため少し難しかったかもしれませんが、分かりやすい漢字を書くようになっていました。
このレベルの漢字は書けるようにしておきましょう。
丁寧な出題でした。
<1>と<3>を合わせると、漢字は13問の出題です。
漢字の重要性が高まっています。
<4>慣用句
ことわざと慣用句の違いをご存じですか。
ことわざは教えを含んだ昔からの言葉です。
慣用句は、二つ以上の言葉が結びついて、言いたいことを別の言葉で置き換えた言葉です。
分かりにくいですね😆
違う説明をします。
ことわざはそれ自体が一つの言葉なので、活用(変化)しません。
例えば「猿も木から落ちる」で一つの言葉なので、「猿も木から落ちたり…」みたいに言い換えることができません。
しかし慣用句は、「足が棒になる」を「足が棒になってしまって…」だとか「足が棒になりそう…」のように形を変えて言い換えることができます。
少しご理解してもらえましたか😊
ところで本題に戻ります。
慣用句は毎年出題されるようになりました。
生徒達の生活に身近な言葉だからかもしれません。
しかし難しい漢字を使った慣用句を出題できませんし、生徒達のふだんの生活からかけ離れた慣用句も出題できません。
すると出題できる慣用句は限られてきます。
するとワンパターンな問題になります。
そのため今年は出題パターンを変える、という方法でアレンジしてきました。
慣用句の「意味」を問う問題にしてきました。
ててスクールでは、慣用句の意味まで覚えてもらえるような対策教材を使っていますが、それでも生徒達にとっては少し難しかったかもしれません。
慣用句は意味も含めて、しっかりとマスターする必要が出てきました。
ところで、保護者様にお願いです。
慣用句を勉強させようとして、本屋さんからドラ〇モンの慣用句の本を買ってきて、それを全部覚えさせる、、、のようなことはしないでください。
例えば「腰をすえる」は出ません!
「腰」という漢字は出題範囲には無いからです!!
ですから慣用句の勉強をしてもらうには、出題される範囲から選んであげなくてはいけないのです。
さきほどの漢字の学習と同じです。
勉強に「無駄」という事はありませんが、合格するために必要な事から始めてあげましょう。
時間とエネルギーの節約になります。
<5>読み取り「ヤドカリとイソギンチャク」
普通級の教科書からの出題です。
問2は難しかったかもしれません。
答えが文章の一番後ろにあるのですが、問2なので生徒達は答えを前の方で探した可能性があるからです。
さらに解答欄ですが、3文字の答えなら今までなら3つに区切られていましたが、今回は大きな資格に書かせるようになっていました。
受験生にとっては、解答が何文字なのかが分からないので、答えにくかったと思います。
ちょっとした違いですが、戸惑いがあったと思います。
しかし、全体的には素直で解きやすい問題でした。
<6>読み取り「電話」
問題は難しくありませんが、このような問題に触れる機会が少ないので、解きにくかったかもしれません。
問3は「変更後は?」と聞かれていますが、文章に「変更」という言葉が使われていません。
問4は文章中に「メモをとる」と書いてはありますが、ピンとこない生徒がいたかもしれません。
この問3と問4が少し難しかったと思います。
<7>読み取り「履歴書」
さいたま桜高校や分校を卒業するとほとんどの生徒が就職となります。
その際に「履歴書」が必要となる場合があるので、このテーマが選ばれたと推測できます。
ですが、中学3年生にとって「履歴書」と言われても「???」です。
そこで、「履歴書」が分からなくても解けるように工夫されていて、素直な問題でした。
読み取り問題の場合、今回のように「知らない」「分からない」ことがテーマになることがあります。
そのような場合でも国語では、聞かれていることに対して、素直に答えられように練習しておく必要があります。
<8>助詞
「~は」「~が」を選ぶ問題です。
毎年出ていますし、国語にとって大切な問題です。
しっかりと練習しておきましょう。
ててスクールには、このタイプの練習問題もた~くさんそろっています。
< 総 評 >
全体のレベルが上がりました!!
・漢字が増えて、
・ローマ字がなくなって、
・指示語の問題が新しく加わって、
・反対語の問題も新しく加わって、
・慣用句は意味が問われるようになって、
・文章問題の解答欄が大きな四角になって、、、
問題は丁寧に作られていますが、おそらく平均点は昨年より下がったと思われます。
受験生も難しかったと感じたかもしれません。
「ローマ字」が出なかったことは驚きです!
さいたま桜高校や分校の入試問題は、単なる入試問題ではなく、社会に出るための基礎学力を養うトレーニングでもあり、単に合格者を選ぶための問題ではないと考えています。
実際、数学では「お金」「時刻表」のように生活に密着した問題が毎年出題されます。
「ローマ字」が出題されなくなったのは、毎年出されているので、受験生がしっかりと勉強してきて、全員がほぼ満点になる、、、
つまり「ローマ字」では差がつないので、出しても仕方がないと判断されたのかもしれません。
しかし「ローマ字」は今や生活に密着しています。
生徒達の将来を考えた時に「ローマ字」をマスターしておくことは、とても大切です。
来年以降の復活を強く望みます!!
さらに漢字のウエイトが高くなりました。
漢字は出題範囲の中で、読み書きともにしっかりとマスターしましょう。
漢検をその目標にするといいですヨ!
漢字の勉強ってツライですよネ!
生徒達は目標があると意外と燃えてくれます🔥
漢検はその点、ピッタリです。
ただし簡単な級から始めてください。
一生懸命に勉強しないと受からない級から始めると、漢検って「ツライ」と思われて、続きません。
簡単な級から始めてあげて、合格したら思いっきり褒めてあげて、「漢検って簡単だし、褒められるし、イイカモ」と思ってもらえるようにしてください。
これは勉強全体に言えることです。
超大切なポイントです!!
読み取り問題は、丁寧に作られていました。
ただし「履歴書」のように、中学生にとって馴染みの薄い内容だったり、ひっかけ問題のようになっていたりします。
簡単だった、、、と感じられた受験生は、おそらく合格ラインに届いています。
このレベルの読み取り問題までしっかりとトレーニングできていたのですから。
これからさいたま桜高等学園や大宮西分校・鳩ケ谷分校のような「分校」を目指す生徒は、このレベルの「読み取り」問題をスッと解くことが出来るように、早い時期から準備を始めるようにしてください。
志望校の倍率が今年は低かったから、来年も低い、、、という事はありません。
来年も低いだろうと、受験生が集まって、倍率が上がる!!という事はよくあります。
しかも受験は「作業」「運動」「面接」もあります。
やることはたくさんあります!
とにかく早い時期から始めて、幅広く学習をして、合格できる可能性を少しでも上げていくようにしましょう!
そのための教材が「ててスクール」にはたくさんあります。
どうぞ、ご期待ください。
令和7年度 埼玉県立特別支援学校 入試選考
<職業学科>
さいたま桜高等学園 羽生ふじ高等学園 入間わかくさ高等特別支援学校
<高等部分校>
たかしな分校 草加分校 さいたま西分校 松伏分校 上尾南分校 北本分校 宮代分校 鳩ケ谷分校 狭山清陵分校 白岡分校 三郷北分校 大宮商業分校 新座柳瀬分校
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